小宮商店 KOMIYA SHOTEN

気持ちをしつらえる
~裁断において最も大切なこと~

洋傘加工の要と言える工程のひとつ、裁断。
その名の通り木型に合わせて生地を裁つ作業をさします。

小宮商店工房ではベテラン職人から若手まで、皮革製品の裁断に使用される革包丁で生地を裁ちます。 木型に合わせて包丁を動かし裁つ、と書いてしまえば単純ですが、刃を入れる角度や微妙な力加減で生地がよれたり切れなかったりと、感覚を掴むまでにかなりの時間を要します。 木型自体を削り落してしまうこともあり、こうなると一から型を作り直さなければなりません。

若手から経験豊富な職人まで、包丁を握り、裁断台を前にすると気持ちが引き締まると揃って口にします。 また、裁断において最も大切なことは何かと問えば、等しく「研ぎ」であると答えます。 経験や知識を語る前に、包丁を研ぐこと、つまりは下準備が大切なのです。
研ぐこともまた、砥石に対してどれくらいの角度で研げばよいのか、どれくらいの力加減が必要なのかを把握するのが非常に難しい作業です。 ただ、ここで手を抜いてしまうと後々の仕事に悪い影響が出てしまうことは言うまでもありません。

小宮商店の工房では、一日の内に何度も刃を研ぐ音が響きます。
一定のリズムで響く乾いた音は、ものづくりに向き合う気持ち、気構えへと意識を集中させてくれます。

包丁を研ぐことは同時に、自らの感覚をも研ぎ澄ます作業なのかもしれません。

(動画に出演いただいたのは、今年から正規の職人としてメンバーに加わった若手職人です。)

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