小宮商店 KOMIYA SHOTEN

2023.09.01傘コラム

傘を広めた方の絵本「ジョナスのかさ」と「ふしぎなかさやさん」

こんにちは。家所です。
本日から9月に入り、朝晩に少しずつ初秋の空気を感じるようになりました。
この4月から社会人になった方ももうすぐ半年が経とうとしています。
皆さんはそれぞれどんな想いをもって“しごと”に就き、どんな経験をしてきたのかしら。
実は傘屋の仕事、いわゆる新入社員はほとんどいません。
“社会”を経験したのちに自分を見つめなおし、自分の生き方ややりたいこと、仕事の選び方をもう一度考えた時に見えてくる仕事なのかもしれません。

今回はそんな傘屋の仕事、傘を一般に広めたといわれる人の絵本をご紹介したいと思います。

「ジョナスのかさ」
文/ジョシュ・クルーと 絵/アイリーン・ライアン・イーウェン 訳/千葉茂樹
出版社:光村教育図書
発行日:2020年11月25日

傘は古代オリエントの時代が起源といわれていて、ギリシャ・ローマ時代には身分の高い女性の日傘として広まり、中世以降には教皇や聖職者のステイタスシンボルとして、その後は上流階級の特に女性の間でファッションとして用いられていました。

そんな時代の1750年頃ロンドンに住むジョナス・ハンウェイという紳士のお話です。

今ではイギリス紳士の持ち物として欠かせない雨傘。
でもそれまでは “女性”の持ち物だったこと。
雨除けは馬車から降りた一瞬のためのもので馬車の御者から大きな反発があったことなどなど・・・ジェンダー差別!?既得権益者との闘い!?などなど・・・いつの時代でも新しいものを作り広めるには障壁を乗り越えるものなのだなぁと、現代と“傘”ねてみてはいかがでしょうか。

傘の成り立ちのお話、そしてひとりのアントレプレナーの話として、お子様そして新社会人にもお勧めしたいです。

「ふしぎなかさやさん」
作 たなか鮎子
出版社:講談社
発行日:2022年5月17日

タイトルもそのまま“かさやさん”を舞台にした絵本です。一般的に、“雨=天気が悪い“と思われていますね。
傘屋としては少々肩身が狭い気もします。
でも雨は悪いものではありません。
「もう!あめなんて、だいきらいだ」そんなひとことからあらわれた景色は・・・雨を、そして雨の日をちょっと見直せるかもしれません。
傘屋はそんな仕事でもあるんだなぁと思わせてくれます。
雨をよける道具というだけでなく、雨や雨の日を楽しむファッションアイテムとしてお使いいただけると嬉しいです。

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