小宮商店 KOMIYA SHOTEN

試行錯誤の「型」作り

はじめまして。
職人見習いの渡辺と申します。
傘職人の見習い修行をはじめて6ヶ月がたちました。
いくつもの工程を覚えたり、手を動かす毎日であっという間です。

そんな中、いよいよ傘づくりの肝である「型」作りが始まりました。
カーブのついた三角形の形を自分なりに考え、計算し、初めは厚紙で、最後は木製の木型に仕上げます。

楽しみにしていた工程でしたが、自分の型で、良い傘ができるのか少し不安もありました。
1番の難題は、「ベラ」が出ないようにすることでした。
ベラとは、傘になったときに骨と骨の間の生地にたるみが出ることを言います。

そのベラを無くすにはどうしたらいいか、先輩職人さんにアドバイスをいただきながら考えて製作していきます。
1㎜丈を長くするのか、幅を1㎜削るのか、そこから試し張りをする繰り返しです。

始めは1㎜、2㎜で変わるの!?と思っていましたが、このちょっとの変化で本当に違いが出るので驚きです。
生地がピンと張ってベラが出なくなった時は、本当にうれしく感じる、やりがいのある工程です。

一度軌道に乗ると、今度はもっと大きなカーブを出したい、もう少し丸みのある傘にするにはどうしたらいいか…など、理想の傘への想いが湧きたってきます。
先輩職人さんや、同期の2人とも型について話す時間も多くなり、発見ばかりの毎日です。

工房には先輩方の木型が沢山並んでいるのですが、この型ひとつひとつが、何度も考えて試し張りを繰り返し、時間をかけて作られていたんだなぁと6ヶ月前とは違う思いで見るようになりました。

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