糸を撚ること

菅澤師匠のお宅には、傘の部材が入った段ボールが積まれてあります。その段ボールの側面には猫の引っ掻き傷!ではなく、菅澤師匠の仕事の痕跡があります。菅澤師匠のお宅に猫はいません。

このプツプツの穴、これは菅澤師匠が手縫い用の針で刺した後です。

私達傘職人の仕事は、手縫い作業がとても多く、小宮商店の手縫い作業には全て、蝋引きの糸が使われています。
蝋引きの糸について、以前にも日記に書いたことがありますが、撥水性はもちろんのこと、とても丈夫な糸となっています。
職人達は、この丈夫な蝋引きの糸を、より丈夫な糸にしてから縫っていきます。
手縫い作業は2本取りで、その2本取りの糸を1本の丈夫な糸にするかのように糸を撚り、縫っていくのです。

菅澤師匠は、針に糸を通したら、その針をぷつっと段ボールに刺し、両手で糸を挟み、糸を撚ります。
糸を撚ることは、縫っている途中で糸も絡まりにくく、さらに丈夫な糸にもなり、一石二鳥です。